いつまでもクレイジーな4台 ケータハム・セブン比較試乗 前編
公開 : 2019.06.28 11:10
気難しいがドラマティックなエンジン
ツインカムのパワーデリバリーはこのうえなく気難しく、機嫌を損ねようものなら異音を立てる。しかし、アイドリング時には聞き慣れたサウンドを響かせ、5000rpmを超えると猛烈なトルクを生み出す。このビッグバルブエンジンは、6500rpmで128psの最大出力を発生する。
同じ心臓を持つエランのオーナーならわかるだろう。このエンジンは、526kgのマシンを6.2秒で97km/hまで加速できる。タイムはKシリーズ搭載のロードスポーツと同じだが、もっとドラマティックなのだ。
慎重に選び抜いたエンジンは、誕生以来セブンの魅力であった。フォードがケントユニットを製造中止した時には、年500台以上調達していたツインカムとコスワースBDRが終わりを迎えたことを意味し、ケータハムは危機に直面する。そして別のエンジンを探すことになるのだ。
ケータハムは当初、高出力モデル用エンジンとしてヴォクゾールの2ℓエンジンに目をつけていたが、その頃ローバーは軽量な新型ツインカム4気筒の開発に取り掛かっていた。このエンジンは1988年に最初に214に搭載され、91年頃にはこのKシリーズがケータハム・セブンに積まれるようになった。