いつまでもクレイジーな4台 ケータハム・セブン比較試乗 後編
公開 : 2019.06.28 18:10
ケータハムとしては贅沢な装備を追加したSVや、ジムニー用の3気筒660ccエンジンを搭載し超軽量に仕上げた160といった仕様も存在します。年産500台程度を維持し、100台集めても同じ仕様は2台とないといわれるセブンには多様な楽しみ方があるようです。
もくじ
後編
ー より贅沢なSVも登場
ー ド・ディオンの採用
ー 軽自動車用エンジンを搭載
ー 初期のセブンのような走り
ー 同じ仕様は2台とない
より贅沢なSVも登場
ジェズ・コーツはこう話している。「ヴォクゾールのエンジンは、Kシリーズと同じような理由で誕生したのです。プッシュロッドのフォード製エンジンが手に入らなくなり、一緒にBDRも消えるところでした。ヴォクゾールユニットはコンパクトなうえ、インテークが右にあるため、パッケージもしやすいのです」
「キャブレターではなくインジェクションを使っていましたが、それでも右ハンドル市場では、インテークが右の方が都合は良かったのですよ。そこからダイレクトにレースシリーズへと発展していきました」
Kシリーズとヴォクゾールが登場した頃には、インテリアも贅沢になり、コクピットが長くワイドなSVも登場した。ベニヤの背もたれの代わりに本格的なバケットシートが採用され、1996年にはハンドブレーキがダッシュボードの下からトランスミッショントンネルに移動している。そのためにシャシーに余分なチューブが必要になったが、コーツがケータハム在籍中に、こうした改良によってセブンの捻り剛性は80%も強化された。
フロントサスペンションはきちんとしたトップウィッシュボーンになり、さらにアンチロールバーが追加されたが、最大の変更はド・ディオンのリアサスペンションの採用だろう。これが洗練された乗り味に繋がるのだが、そもそもライブリアアクスルの欠品に対応するためのものだった。フォードのユニットがなくなった後はマリーナヴァンのアクスルに切り替えられていたが、多くの場合シエラのディファレンシャルなど、既存パーツが使われていた。