いつまでもクレイジーな4台 ケータハム・セブン比較試乗 後編
公開 : 2019.06.28 18:10
ド・ディオンの採用
コーツは振り返る。「ドライブシャフトの長さを決めるのがわたしの最初の仕事でした。ケータハムに入社した頃には、クルマの生産を続けることが最大の課題であり、パーツを自社で設計製造するのはそれが初めてだったのです」
「そのために地元のパブで会議を開きましたが、ド・ディオンこそ一番有効的な解決策でした。後輪をリンクし、大きなチューブによって左右の後輪を平行に保ってくれます。完全自社設計製造のクルマをいつかは造りたいという野心を抱いていましたが、自社開発品にはいろいろと問題があったのです。この願いは、2004年にやっとCSRで叶えられましたよ。実は以前にド・ディオンを使ったセブンがあり、それがロータスの伝統を保つのに役立ちました」
Aフレームやツイントレーリングリンクと同じレイアウト、同じようなジオメトリーを持つド・ディオンのセブンは、滑らかなトラック上ではライブアクスルのクルマと近いハンドリングを示す。しかし、悪路では違いが顕著になる。乗り心地が滑らかで、トラクションも強く、クルマが路面をしっかりグリップするのを感じられるのだ。
ドライバーはこれに大いに勇気づけられた。1984年以来、ほぼすべてのケータハムがこの方法で製造されている。ド・ディオンを装備したモデルなら、ライブアクスル特有の動きを加味する必要がないためトランクが2倍も広い。