いつまでもクレイジーな4台 ケータハム・セブン比較試乗 後編
公開 : 2019.06.28 18:10
軽自動車用エンジンを搭載
2005年にローバーが倒産すると、再びエンジンの変更が必要になった。Kシリーズの代替ユニットを見つける作業は、フォードがシグマシリーズを開発していたことで道が開ける。「フォードは最良の選択肢でありましたし、このエンジンは実に良くフィットしたのです。新しいエンジンは背が高すぎるものばかりでしたから」とノーブルは述懐する。
ケータハムの現在の最速モデルは、314psの620Sだが、ケータハム・セブンはあまり空力特性に優れていないため、パワーを強化してもそれだけの性能向上は見られない。しかし、160でこうした状況がすっかり元に戻った。ヒントはこのモデル名にある。この数字は、パワーウェイトレシオを示しているのだ。
スズキの軽自動車用660cc3気筒ターボエンジンによってライブアクスル(ジムニーのもの)が復活し、パワーもシングルキャブのプッシュロッド時代のフォードエンジンと同じ程度になった。ベーシックな160の価格は1万6995ポンド(215万円)だが、今回採り上げたモデルにはカーペット、レザーシート、全天候対応パック、モトリタのステアリングホイールから成るSパックを装備している。
エンジンをかけると、ターボによってエグゾーストノイズがダンプされているが、かなり力強い音がする。アイドリング中は少し振動するが、それもコーヒーポット程度の音でほとんど気にならない。スタートすると、3500rpmで急激にトルクが強くなり、同時にギアを素早くシフトしていくとターボの唸りや空気の流れる音が聞こえてくる。初めは、ケータハム・セブンにしては妙だと感じるが、すぐにそれが楽しくなる。