いつまでもクレイジーな4台 ケータハム・セブン比較試乗 後編
公開 : 2019.06.28 18:10
初期のセブンのような走り
トルクはわずか10.9kg-m、重量は480kg以下のため、太いタイヤを必要としない。狭い155セクションのタイヤは初期のケータハム・セブンに似たような楽しみが得られる。
軽量なためにコーナーリングするというより向きを変える感覚だが、ツインカムのようにコーナーを気持ちよく曲がってゆく。笑い出したくなるほどボディコントロールしやすいのだ。2速ならパワーコントロールだけでテールを突き出せるが、その時には回転数がリミッターいっぱいの8000rpmに達している。
3速と4速の間のギャップは大きく、シフトダウンの時に特にそれを感じる。このスズキのギアボックス(大半のモデルはMX-5の5速ギアボックスを装備)は、5速から4速のシフトがやや精密性に欠けるのが難点だ。トップギアの1000rpmは22km/hになる。これは呆れるほどレシオが低いが「怒り狂う蜂の群れに追いかけられているような」楽しみが味わえる。
6000rpmで120km/hに達し、さらに2000rpm上げられるが、サイドスクリーンがないため110km/h程度で走るのが妥当だろう。最高速度はたったの160km/hだが、そんなことはどうでも良い。140km/h程度までがこのクルマを一番楽しめる領域なのだから。法定速度では素晴らしい加速(0-97km/h、6.5秒)が得られるため、信号や抜け道では他のクルマをぶっちぎる。追い越しだって安全だ。