フォード・シエラ・コスワース モンスターマシンのレシピ 当時のエンジニア訪問

公開 : 2019.06.23 07:50

繰り返す試行錯誤

スポイラーが最大限の効果を発揮するには、できる限り後方に取りつける必要があった。あと15cm後方に取りつけることができていれば理想的だったでしたが、これだと違法です。ですから極めて高価なバンパーを追加する必要があった。

「わたしの親友であるジョン・マイルズは、完成形のスポイラーがあればシルバーストーンのラップタイムを2秒短縮できると予想していました。実際は、なんと2.5秒短縮できましたが」と誇らしげな表情を浮かべる。

ついに完成形のスポイラーを製作するようマンスフィールドが設計チームに依頼する段階に来たとき、「われわれに何が必要かを説明すると、設計チームはやはりこう言いました。『またあなたですか…』とね。あまりのしつこさに煙たがられていたんですね。でも、製作したスポイラーは十分期待に応えるものになりました。サイドスカートにも変更を加えることで、最高のものになりました」

「一方、インテリアは、どこを取っても標準仕様のシエラと変わりません。低出力版との違いは、ターボブーストゲージくらいのものですね」

「インテリアの高級感まで追求していたら、さぞ高いクルマになっていたでしょう。別のトリムを導入していた場合、それぞれ構成部品ごとに何回もの衝突テストを行う必要がありましたからね。レカロ製バケットシートと革縁のステアリングホイールは、われわれが妥当な予算内で取りつけることのできる唯一の装備でしたよ」

おすすめ記事

 

人気記事