ロードテスト トヨタ・カローラ ★★★★★★★★☆☆
公開 : 2019.06.22 09:50 更新 : 2021.01.28 16:58
内装 ★★★★★★★★★☆
ニュー・カローラのキャビンは、ダークな色調のプラスティックと、サテン仕上げのクロームやグロスブラックの装飾トリムが対照的だ。最近のハッチバックの多くがそうであるように、スマートかつ上品な雰囲気で、テクノロジーに目がないデジタル世代が喜びそうだ。とはいえ、徹底的にモノトーンで簡素なので、もう少し色合いやテクスチャーにバラエティがほしい印象でもある。
しかしながら、モールディングやしぼのフィニッシュ、スイッチ類に落ち着いた高級感や身の詰まった感じは不足していない。控えめながらも質感の高さが行き届いたコクピットであることに疑いはない。計器類はアナログとデジタルが混在し、回転計や燃料計は読み取りやすい。それらの情報は、トヨタのハイブリッドを運転する上であまり重要ではないのだが。
ドライビングポジションは低いが、全方位とも視認性は良好だ。室内の広さは、欧州市場におけるたいていのファミリーハッチバックに劣らないものがある。今年、われわれはフォード・フォーカスの新型をロードテストの俎上に載せ、このセグメントの新たなフェイバリットだと公言しているが、キャビンスペースのあらゆる計測値で、カローラ・ツーリング・スポーツはそれをしのいでいる。ホイールベースの長いワゴンなのだから当たり前、だと思われるかもしれない。しかし、あのどうにも窮屈なオーリスを基準に考えれば、広くなって当然などとは思えないはずだ。
荷室は積み込み口がフラットで、乗り越えるべき手前の段差はなく、積載スペースは2016年にテストしたヴォグゾール・アストラSTと比較してもワイドで奥行きがある。実用性でクラストップを勝ち取るには届かないが、ほとんどのユーザーが満足できる広さを備えているといっていいだろう。