試乗 新型ポルシェ・パナメーラGTS 英国で評価 ベストグレードとはいえず

公開 : 2019.06.19 10:20  更新 : 2019.06.19 15:05

パドルで任意に操作したくなるデュアルクラッチAT

その違いは両車の開発された風土の違いがあるのではないか。ポルシェは、例え290km/hで走行していても、ドライバーが意識せずにくしゃみをしても平気なクルマを作る必要がある。ハンドリング特性はお国柄があるとはいえ、パナメーラのエンジンは国境を超えても間違いなく力強い。AMG製のユニットの方がさらにスリリングではあるけれど。

反面、8速デュアルクラッチATは、リラックスした気持ちを乱すことなく変速してくれるとは限らない。特にオートストップ・スタート・システムとの相性が良くないようだ。滑らかに減速し停止に至るまでの振る舞いには、環境負荷軽減とのトレードオフがある。通常のATなら、スムーズさはより確保できるに違いない。

また高速道路でのとっさの加速時など、太いトルクを活かしたいときに不必要なシフトダウンも見受けられる。都市部での移動時にも、トランスミッションは希望しない変速をする傾向がある。わずらわされている内に、自然と手はシフトパドルへと伸びてしまうのだった。

インテリアの素材や質感は素晴らしく、デジタルモニターの面積も巨大で視覚的な訴求力は高い。必要な機能はすべて盛り込まれてはいるものの、操作になれるには少し使い込む必要はありそうだ。よく使う機能に関しては、ブラインドタッチしやすい物理的なボタンも用意されている。

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