初試乗 フェラーリ488ピスタ・スパイダー 100kg増 NAの甲高い咆哮が懐かしい
公開 : 2019.06.21 10:10
マクラーレン並の剛性確保は難しい
わたしが488ピスタ・クーペに試乗したのは、今回の試乗の数週間前だったこともあり、違いがわかってしまう。スパイダーのコーナリング時は、クーペよりも少し重さをかけてステアリングを操作する必要がある。それでも、オフセンター付近の機敏なリアクションや、ステアリングのレシオ自体は変わっていないところには感心する。
乗り心地も良好。恐らく日常使いのクルマとできるほど快適に感じられるだろう。ダンパーの硬さも、スイッチひとつで硬めか柔らかめか、すぐに選択することができる。
英国などの傷んだ路面では、表面に浮いた小石をタイヤが跳ね上げて、アンダーボディに当る音がかなり大きく聞こえる。軽量化のために防音材を省いているためで、ハードコアな中身を伺わせる部分だ。
ボディ剛性に関しては、マクラーレンのロードスターほどにクーペと遜色ないソリッド感を残しているわけではない。フェラーリがアルミニウム製のシャシーに対し、マクラーレンはカーボンファイバー製のタブ構造を採用しているからだろう。しかし、ボディが若干緩くなったと感じる場面は、極めて大きいバンプを超えたときや、ハードコーナリングでサスペンションに高い負荷が掛かっている時に限られる。