廃車と引き換え、新車に助成金 スクラップ・インセンティブ 英自動車業界を救った制度

公開 : 2019.06.23 11:50  更新 : 2019.06.23 12:29

番外編:ヒュンダイi10 どんなクルマ?

登録から10年以上が経過したクルマのオーナーが、i10を月々85ポンド(1万2000円)で買えるという話を聞いたら、飛びつくのも無理はない。車検や高価な整備が近づいていたらなおさらだ。i10は5人乗りで、エアコンがあり、5年間の保証もついている。

当時最も売れたエントリーレベルのクラシックで、それも唯一の無償カラーであるソリッドな赤の車両は6カ月待ちであった。多くのひとは追加料金を支払うことで納期の短いメタリックの色を選択した。やや古い1.1ℓエンジンを搭載する限定車も設定されていたが、今回われわれはやや新しい1.2ℓ、78psのモデルに試乗した。

背が高く、非常に軽い操作感やソフトなサスペンションは典型的なわれわれ好みのクルマではない。しかし、10年が経った今でも平均的エコノミーカーよりはパワーがあり、シフトチェンジも楽しめる。

ランニングコストは安く、実走行でも16km/ℓ程度の燃費を実現する。走行4万km台の個体が3495ポンド(48万円)で入手可能だ。初度登録以来年間200ポンド(2万7000円)程度の値下がりと考えると、非常に低コストである。多くのクラシックカーをスクラップ送りにしたという点も含め、i10は自動車史における重要な1ページを刻んだといえそうだ。

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