車名に秘められたゆえん 23選 後編 フィアット「500」からトヨタ「カローラ」まで

公開 : 2019.06.22 16:50  更新 : 2021.02.02 12:51

ポルシェ「911」

1963年のフランクフルト自動車ショーでポルシェが新しいスポーツクーペ、901を発表すると、一躍注目を集める存在となった。ポルシェ356の後継モデルとして長らく待ちわびられていた、スリークなデザインにパワフルなエンジンを持つクーペは、世界中で話題となった。そして、フランスのプジョーも、まったく別の意味で901に注目することになる。

プジョーはポルシェに対し、3桁の数字で中央に0を用いる自動車名の権利は、すべてプジョーが保有していることを通告する。当時のプジョーには901という名前のクルマをリリースする予定もなく、もちろんリアエンジンのスポーツカーを生み出す予定もなかった。しかし、ポルシェによる商標権侵害を、プジョーは認めることはなかった。

結果として0のかわりに1を用いることで、ポルシェを象徴する911が誕生する。この商標権問題が明るみになる前に製造された82台のクーペには、901のエンブレムが貼られている。

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