水素満タンは3分以下 メルセデス・ベンツGLC Fセル プラグイン燃料電池に試乗
公開 : 2019.06.24 10:10
インフラ不足をレンジエクステンダーでカバー
水素を燃料とするわけだが、カーボンファイバー製の水素タンクはキャビンの床下にレイアウトされる。タンクには4.4kgの質量の水素を貯めることが可能とのこと。燃料電池内部で空気中の酸素と水素とを結合させて、水を生成すると同時に電気を生み出し、その電気で210psのモーターを回転。後輪を駆動するという仕組み。
4.4kgの水素の補充に要する時間は、3分を切るという点もポイント。ちなみにトヨタ・ミライの補充時間も3分程度となっている。EVのバッテリー充電時間より遥かに短く、新しい燃料電池システムの売りのひとつだ。しかし水素を補充できる施設は欧州においてもまだまだ少なく、インフラとしては改善の余地がある。
そこでメルセデス・ベンツは、任意に充電が可能な13.5kWhのレンジ・エクステンション用のバッテリーを搭載した。燃料電池として走行可能な400kmの前後の航続距離に、バッテリーによる電力で50kmほどの航続距離を付加している。つまり、日常的な短距離の移動やお出かけは、ほぼバッテリーの電力だけでまかなえるということ。
さらに長距離の旅行となると、燃料電池の水素補充が可能な施設を経由するというプランニングが必要になる。手間に感じるかどうかは、受け止め方次第だろう。
すでにAUTOCARではフェイスリフト前のFセルを、極めて短距離ながら昨年試乗している。しかし今回は比較的長距離の試乗が許された。昨年の印象に変化は生まれるのか、確かめてみたい。