水素満タンは3分以下 メルセデス・ベンツGLC Fセル プラグイン燃料電池に試乗

公開 : 2019.06.24 10:10

通常のGLCと変わらない車内の広さ

重量物は低い位置に搭載され、ドライビングモードはコンフォートのままでも、コーナリング時のボディロールは穏やか。しかし、ステアリング操作の精度の面では、期待するほどのものではない。運転する楽しさを味わえるクルマではないものの、極めて静かで、潤沢なパワーが支える安楽な走りから得られる満足感は高い。

大径な20インチのアルミホイールを履いていることもあり、舗装の剥がれたような大きなくぼみでは、サスペンションからの振動が車内に伝わってくる場面もある。しかし、全般に乗り心地は滑らかで洗練性も高い。コンパクトな燃料電池システムのおかげで、ラゲッジスペースをわずかに削る程度で搭載できており、標準のGLCと同等の広々とした車内空間を確保している。ゆったりとリラックスできる雰囲気は、まるで住み慣れた自宅にいるかのようだ。

荒れた路面ではタイヤからのロードノイズが遠くで響き、高速域では風切り音がささやくとしても、ほとんどの時間は平穏にふわりと風に乗ったように走る。GLC Fセルの特徴のひとつは、ゼロエミッションでありながら、大きな気遣いなく一緒に暮らせるということ。水素ステーションの数が少ないという点は、いかんともし難いが。

ガソリンエンジンを搭載したGLCと同様に、燃料電池モデルもマイナーチェンジで受けたエクステリアの変更はわずかながら、インテリアの刷新は著しい。ハイライトは何といっても対話型インフォテインメント・システム「MBUX」の導入。滑らかな解像度を持つ、扱いやすい12.3インチのモニターを介して操作する。音声認識機能「ヘイ・メルセデス」が、時折聞き間違えて動作してしまう部分も、そのまま搭載されている。

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