EVの真実 本当に環境にやさしい? 実は多いエネルギー消費量 カギは発電方法

公開 : 2019.06.29 11:50

大型バッテリーは推奨せず 再生可能エネルギーがカギ

IVL Swedish Environmental Research Instituteでも、2017年に同様の結論に達しており、50%から70%を化石燃料由来の電力で構成されているグリッドで生産された100kWhもの大型バッテリーを積んだEVの場合、走行開始までに15tから20tものCO2を排出することになるとしている。

IVLでは、ドライバーに大型バッテリーを搭載したEVを購入しないよう推奨するとともに、将来のバッテリー生産は可能な限り再生可能エネルギーで行われることが望ましいとも述べている。

アウディは、新型eトロン生産のため、新たに改修を行ったブリュッセル近郊の工場で、まさにこのアプローチを採用している。


工場に設置された3万7000平方メートル分のソーラーパネルによって、使用する電力量の95%を賄うとともに、工場の暖房にはバイオガスを活用しており、eトロン向けバッテリーもここで生産することで、その潜在的なCO2排出量の削減を可能にしている。

つまり、EVには使用される場所での環境汚染を抑えるという大きな利点がある一方、その生産工程全体では、驚くほどのエネルギーを消費しており、典型的な欧州電力グリッドから電力供給を受けている場合、その日常的なエネルギー効率も、期待するほどのものではないということだ。

例え、EV生産を行う財政的なリスクがそれほど大きくはないとしても、工場のほとんどを再生可能エネルギーで稼働しなければならないのであれば、大きなコスト負担を強いられることになるだろう。

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