英国が生んだエキゾチックモデル ツインカムのMGA 60周年を祝う

公開 : 2019.06.29 07:50  更新 : 2020.12.08 10:40

ロバート・ウォーターハウス「手のかからない低圧縮エンジン版」

「今でも1958年の発売時からオリジナル状態を保っているクルマです。モーターショーにも3度の出品をされています。イタリアでのショーのためにクルマは綺麗に整えられ、テールランプは2灯式に変えてあり、インテリアも独立したメーターが取り付けられています」

「当時のオーナー、ロイ・サルバドーリは財政的に余裕がなかったようで、スポーティング・モータリスト1960年2月号の企画のためにテストドライブをしています。彼と会ったのは、今から10年ほど前のアウトラン・パークで。そこでこのクルマとも出会いました。実は彼と私の父は知り合いで、一緒に話をしている写真が残っています」

「1988年以来、残念なことにクルマは1万2000kmほどしか走っていませんでした。でも2018年にはルマン・クラシックへも参加し、オランダへも走っています。また、イタリアのバッサーノ・ラリー参戦のためにベニスまでも自走しています。アルプス山脈のステルヴィオ峠も越えて、ドロミーティやコルティナなども走りました」 と自慢気に話すロバート。

「わたしは他にレースカーも持っています。わたしの父もMGAが大好きで、生涯で6台所有していたそうです。わたしの母が止めるまで、1959年から1962年にかけてはレースにも出場していました。また父は1977年に別のMGAツインカムを購入して、マーク・ダニエルの父とも競い合っていたようです」

「PMO 946のナンバーが付いたこのクルマは低圧縮比で設定された標準モデルです。MGAファンの間では知られた、ツインカムの第一人者、ボブ・ウェストを介して父が購入しました。父がエンスージァストだと知っていた彼が父へ電話し、素晴らしい車だから購入を薦めたそうです。状態は完璧とはいえませんが、3・4ヶ月ほど放っておいても問題なくしっかり目的地まで走ってくれます。あまり手がかからないところが、わたしが好きなポイントでもあります」

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