栄光のミニ・クーパーS、オークションに 故バリー “ウィゾー” ウイリアムズの愛車 フルヴィアも
公開 : 2019.06.27 12:03 更新 : 2020.12.08 18:39
晩年まで愛車に ミニ・クーパーS
彼はそのクルマでウェールズ国際ラリーに出場。当時の経験を次のように振り返る。「われわれのサービスクルーは土曜日に結婚式に出席し、深夜に暗いウェールズに戻り、テールコートとシルクハット姿でクルマの整備を行ったのでした」
「路面はとても濡れていて、霧も深く、ひどい状態でした。ゴールした後、わたし達は大層酔っ払っていました。すると誰かが言ったのです。きみ達が優勝したと。わたし達は霧の中、すべてのワークス・チームを抜き去り、国際ラリーで初めて勝ったのでした」
ウィゾーはそのミニを駆り、1964年と65年に英国中のラリーに出場する。さらにジュネーブ・ラリーとスイス・ラリーにも遠征した。それから彼は友達にこのミニを売り、その人物はまた他の人に売却した。
後に彼はこのクルマを見つけ出して買い戻し、1964年のウェールズ・ラリー仕様に戻した。さらに現在はロールケージが装着され、シートやベルトがアップデートされている。彼は亡くなるまでこのクルマの運転を愛した。今回のオークションでは6万〜8万ポンド(約820〜1100万円)の値が付くと予想されている。
4年掛けてレストア ランチア・フルヴィア
ウィゾーは1972年製ランチア・フルヴィアHF1600も所有していた。前オーナーが4年を掛けてレストアしたというこのクルマには、作業を請け負ったヒストリック・モータースポーツのスペシャリスト、INレーシングによる請求書も付属しており、そこには6679ポンドという金額が記されている。ボディは2017年に白から赤に塗り直されたようだ。
INレーシングの請求書によれば、2013年にギアボックスを降ろしてリビルドし、その際にベアリングやシンクロも交換されているとのこと。素晴らしいコンディションで、予想落札価格は3万〜3万5000ポンド(約410万〜480万円)。これまでのオーナーによる書類や請求書、車検証、ランチア・モーター・クラブが1972年製と証明する手紙、そしてヒストリック・レジストレーションの登録証などが付属する。