SVO版に試乗 レンジローバー・ヴェラールSVオートバイオグラフィ 生涯の友

公開 : 2019.06.28 10:10  更新 : 2021.04.13 18:04

どんな感じ?

まるでアストン マーティン製SUVのよう

サスペンションは一通りスポーティなセッティングに改められたヴェラールSVADだが、その仕上がりはサーキット仕様というより、洗練されラグジュアリーさを増した印象を与えてくれる。エンジンからも決して耳障りではない程度に、心地良い響きが聞こえてくるだけだ。このV8ユニットは、いつまでも残ってほしいと思える。

静止状態からの走り出しは極めて力強い。低回転域からの豊かなトルクと、ほとんど知覚できないほど滑らかな8速ATの組合せの結果といえる。静かで逞しく、安楽な加速感は、多くのエンスージャストにとって、追加料金を支払っても納得できるものだと思う。

シートに座ってみる。SUVの中では比較的車高が低めのヴェラールだけあって、レンジローバー流のコマンドポジションと呼べるドライビングポジションではない。しかし、非常に快適。混み入った街なかでも、ステアリングホイールは適度に小さく、ステアリングレシオも充分にクイック。狭いコーナーでも運転はしやすい。

一方で郊外の開けた道では、グランドツアラーとしての性格が存分に引き出せる。走行ペースが速いうえに、高速道路での追い越し加速などでも力不足を感じることはまったくない。スタビリティもグリップ力も素晴らしく、ハンドリングは常にニュートラル。カーブが続く区間でも滑らかにすり抜ける。

アストン マーティンからSUV発表の話が聞こえているタイミングでこんな事をいうのもおかしいが、ヴェラールSVADはまるでアストン マーティンから生まれたSUVのようだ。高速なグランドツアラーであり、質感も極めて印象深いレベルだと思う。

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