自動車デザインの名門 ロイヤル・カレッジ・オブ・アート訪問 未来のクルマが生まれる場所
公開 : 2019.06.30 18:50
UXの重要性 期間を短縮
ハローとソープは、自動車の生産工程や社会における存在意義に注目が集まるなか、コースをより社会意識の高いものにしようとしている。
「かつては、デザインとエンジニアリングを融合することでイノベーションを生み出すことが可能でした。ダイソンがまさにそうした例であり、より良い掃除機を創り出すことに成功しています」と、ハローは言う。
「ですが、いまやデザインには社会とエンジニアリング、その双方を考慮することが求められています。その一例が、パリとは異なる方法で、社会的な問題を解決することに成功したロンドンのケースでしょう」
こうした新たな問題にも学生たちが対応できるよう、コースでは数カ月単位で行う複数のテーマに加え、ふたつの小規模なデザインプロジェクトを授業に取り入れている。2018年のコースでは、ベントレーとの協業のもと、「2050年の英国流ラグジュアリーとは?」というデザインプロジェクトとともに、交通政策の調査研究を行っているRACファウンデーションと、1年間に渡って「時代を超越したモビリティ」という課題に取り組んでいる。
ベントレーとのプロジェクトでは、自動運転モデルのキャビンで、音響がもたらす健康と快適性への効果を発見したアイリーン・チウ作「ラグジュアリーな音響環境」など、いくつかの卒業制作に繋がる作品が生み出されている。
「一般的な自動車のエクステリアとインテリアに関するデザインとは異なるプロジェクトですが、インテリジェント・モビリティを見事に表現しています」と、ソープは言う。