自動車デザインの名門 ロイヤル・カレッジ・オブ・アート訪問 未来のクルマが生まれる場所
公開 : 2019.06.30 18:50
番外編:インテリジェント・モビリティの将来
これからわずか2年で、インテリジェント・モビリティコースの学生たちは、テムズ川からは目と鼻の先、ロンドンのバタシー地区で1億800万ポンド(148億円)もの費用を掛けて建設が行われている4階建ての真新しいキャンパスへと移ることになる。
まさに、いま建設作業は急ピッチで進められており、数々の穴が地面に空いているだけにしか見えないこの場所だが、RCAインテリジェント・モビリティコースの責任者を務めるデール・ハローと彼の補佐役であるシリル・ディールズは、これまでの約3倍の広さを持つ、この教育と研究のための新たな地へと移る日を心待ちにしており、大きな変化がもたらされるとふたりは話す。
ハローは、インテリジェント・モビリティのクラスは、1階の開放感あふれる通常の2倍の高さを持つ空間の一部を占有できると考えており、そうすれば、いまの手狭なケンジントンの教室では夢でしかなかった、フルサイズモデルの展示も可能となるだろう。
すでにディールズは、1990年代中盤に開設されたバタシーにあるRCAのサブキャンパスに拠点を移しており、ここにはインテリジェント・モビリティ・デザインセンターが置かれ、博士コースが開設されるとともに、2016年には、未来のモビリティを考えるシンクタンクとして、ヒュンダイ・キア・イノベーション研究所がオープンしている。
新たな拠点が完成した暁には、さらに3社か、それ以上の自動車メーカーがデザインラボを開設することをハローは期待している。
きらびやかなセラミックとガラスを使ったデザインは、同じくバタシーにあるジェームズ・ダイソン・ビルで打ち止めとなる。
このブロックとガラスのファサードを持つ新キャンパスのデザインを担当したのは、建設設計事務所のヘルツォーク&ド・ムーロンであり、新たに10のコース開設が可能な1万5500平方メートルものスペースを確保している。
建設計画が承認されたのは2018年初頭であり、すべてが予定どおり進めば、2021年秋のオープンが見込まれている。