ラッピングバス、どうやって作る? 全長10m、3時間の作業に密着 写真40枚
公開 : 2019.06.27 19:20 更新 : 2021.03.05 21:30
下準備は入念に… 協会の審査も
ラッピングの貼付け作業に取り掛かる前段階として、ラッピングシート製作会社がバスの正確な図面をもとに、クライアントの意向を盛り込んだデザインの制作を行う。バスのタイプによってドア位置やホイールアーチ、エンジンルームのグリルの位置や形状が異なるため、そこにデザインが掛らないように調整するのだ。
また事前にラッピングするバス会社と、(社)東京屋外広告協会・車体利用広告デザイン審査委員会の審査が必要で、承認されたデザインだけが掲出ができる。これらをクリアしてから印刷に取り掛かるわけだ。
ラッピング広告の商材として扱われるダンロップ・タイヤは、以前から東急トランセ・バスの弦巻営業所所属のT1534号車でラッピングバスを掲出してきた。今回ミニバン用に新発売された「エナセーブRV505」をアピールするため、東急バス目黒営業所所属のバスにラッピングが施されることになった。
同バスに使用されるのはスリーエム ジャパン製のラッピングバス専用フィルムで、耐候性と貼り易さが考慮された特製品である。
フィルムの横幅は約1200mmあり、デザインはこの幅で正確に分割してインクジェット・プリンターで印刷され、貼り付けの時を待つ。
計3人で作業 リア、左面、右面で分担
貼り付けるのはなんと営業中のバスである。今回は午前9時30分に営業所に戻ってきたところでそのまま作業を開始。貼り込みを担当するのは3人のスタッフで、リア、左側面、右側面をそれぞれ1人が受け持つ。
9時40分。営業所のメカニックが車両を作業場に収めたところで、スタッフが持ち場に付き、ラッピングの際に邪魔になるパーツを外して行く。
リアの担当は、後面にある広告枠を取り外し、続いてテールランプのレンズ、エンジンフードのハンドルも外す。一見すると平面な構成に思えるバスだが、仔細に見てゆくと車体側面にはサイドマーカー・ランプやフットランプ、車外スピーカーなどいろいろな付属品の凹凸があり、簡単には貼り付け作業に掛かれないことが知れた。