ラッピングバス、どうやって作る? 全長10m、3時間の作業に密着 写真40枚
公開 : 2019.06.27 19:20 更新 : 2021.03.05 21:30
大仕事は一息に
最大の難関といえるのが、車体のコーナーからルーフに至る部分である。それまでは2次元だったのが3次元の面になるからだ。
まずは脚立2台と足場板を組み合わせ、車体の高い所に手が届く足場を作る。
作業自体はラッピング・シートを細くカットして伸ばしながら貼り込んでいく流れ。
伸ばしきれないところは熱を加えるのだが、細かな修正などなく、一息でフィットさせていく手際の良さには感心した。プロの技を目の前で見せてもらうと嬉しくなってしまう。
最後の1ピース
昼休み明け、最後の仕上げに入る。バス会社名や社番、案内ステッカーを貼ると、バス本来の姿に戻っていく。続いて、テールランプのレンズといった最初に外したパーツ類を取り付ければ、とうとうエナセーブRV505ラッピグバスの完成である。
段差のあるドア部分も自然に見えるように丁寧に処理されている。図面と見比べると、ダンロップのロゴやタイヤの写真部分ももちろん設計通りの位置にあった。
ここまで要した時間はわずか3時間あまり。もし編集部員が真似事をして貼り付けに挑戦したら、1日掛けても終わらなかっただろう。作業したスタッフに伺ったところ1日2台はこなせるそうだ。
こうして装いを新たにしたM1608号車はしばし休憩しただけで、営業運転に戻って行った。まさにタイトなスケジュールの中での貼り付け作業だったのだ。プロの技が無くしてはできない仕事なのである。