フォードC-マックス 1.0T エコブースト・タイタニウム
公開 : 2013.06.06 16:49 更新 : 2017.05.29 18:55
■どんなクルマ?
通常の5ドア・モデルと同じように扱うことのできる実用的でトールタイプのファミリー・ハッチバックがこのフォードC-マックスだ。そのC-マックスに3気筒1.0ℓのエコ・ブースト・ガソリン・エンジン・モデルが加わった。このエンジンの追加は、ガソリンvsディーゼルという戦いにおいて、ガソリン・エンジンに優位性を加えることとなる。ディーゼルより柔軟で、より洗練されていて、価格も安く、保険費用も安く、カンパニー・タックスも安い。しかも、ありふれたディーゼル・モデルよりもドライブしていて楽しいクルマなのだ。
■どんな感じ?
現実的にはディーゼルの燃費には敵わない。われわれの数日にわたるテストでは14.1km/ℓという値を記録したが、ディーゼルは更に25%ほどよい値をマークするはずだ。もし、燃費だけを気にするのであれば、ディーゼル・モデルをおすすめする。特に、2台目のクルマとして買うのであれば尚更だ。
しかし、このエコブースト・モデルはディーゼルよりも8%価格は安いし、何よりもドライバビリティに優れる。エンジンは低回転から滑らかで静か。しかも1500rpmから5500rpmまでパワーは線形に高周波の振動もなく引き出される。確かに98bhpというピークパワーは充分ではないし、このC-マックスを速いクルマにはしていない。しかしレスポンスは良好だ。
俊敏なハンドリングは、このクルマを買う理由のひとつになる。快適な乗り心地を失うことなく、印象的に良いボディ・コントロールを持つシャシー・チューンがされている。グリップも高く、ステアリングはダイレクトでフィーリングも素晴らしい。
実用性の面から、7シーターでないMPVをどう思うかは別として、C-マックスは、高いシート・ポジションと大きなヘッドルーム、そして巨大なブート・スペースを持つ。そのスペースは、トヨタ・ヴァーソやルノー・セニックよりも大きい。また、その深さも特筆すべきで、ベビーカーも収まるのだ。
■「買い」か?
C-マックスは、AUTOCAR編集部が大好きなコンパクトMPVだ。本当にちょうど良いサイズで、スムーズで、フレキシビリティに溢れ、実用出来で、経済性も高い。小型のエコブースト・エンジンの追加で、その魅力は更に大きくなった。ディーゼルほどの経済性はないが、それでもドライバビリティを考えると、その魅力は大きい。
もし、C-マックスを買う際に、ひとつだけ注意しなければならないことがある。それは、リアのスライディング・シートだ。ミッド・スペック・モデルには£200(3万円)のオプション装備となるもので、スペースセーバー・タイヤを選ばないと、装着が出来ないもの。このスライディグ・リア・シートは絶対に装着すべき装備だ。
(マット・ソーンダース)
フォードC-マックス 1.0T エコブースト・タイタニウム
価格 | £19,845(303万円) |
最高速度 | 174km/h |
0-100km/h加速 | 12.6秒 |
燃費 | 19.5km/ℓ |
CO2排出量 | 117g/km |
乾燥重量 | 1391kg |
エンジン | 直列3気筒999ccターボ |
最高出力 | 98bhp/6000rpm |
最大トルク | 17.3kg-m/1500-4500rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |