プジョー大人気のコンセプト「eレジェンド」 間近で観察 市販化はなし

公開 : 2019.07.07 11:50

重要なのは方向性 エクステリアの魅力

プジョーのデザイナーとエンジニアたちにとって、われわれの方向性を示すことが重要でした」と、ジャンは話しており、市販化も十分可能なように見えるそのボディサイズは、全長4.6m、全幅1.9mという、まさに実際の路上でも扱い易いものとなっている。「現実的なサイズとすることが重要でした。それこそが、われわれの開発の方向性だからです」ともジャンは言う。

だが、このクルマの中味は、公表されたスペックとは大きく異なっている。このワンオフのコンセプトモデルが積む電気モーターの数は1基のみであり、最高速は10km/h程度、そして、運転はつねに付き従うコントローラーを持ったスタッフによる無線で行われている。

自動車メーカーのなかには、コンセプトモデルと市販モデルを完全に区別しているところもあるが、来年の量産開始が予定されているモデルに関して、「508プジョー・スポール・エンジニアードというコンセプトモデルを発表しています」と、ジャンは言う。

「こちらの方がより現実的なモデルです。エクステリアは量産モデルに近い一方、インテリアは2030年代のビジョンを示しています」


彼の言う通りだ。eレジェンドの外観からは、このクルマがカーボンファイバー製だとは分からないだろう。美しく高級でありながら、現実的にも見える。細かなところもよく作り込まれており、突き出した一体成型バンパーの、通常は巨大な樹脂製モールでカバーされる中央部分の造形が、特徴的な表情を創り出している

フロントとリアのウインドウは、3分割のガラス製であり、1枚ガラスでないのは、多くのコンセプトモデルが使用するアクリルのように成型出来ないからだが、ガラス製とすることで、より現実的な印象を与えることに成功している。

さらに、目を引くのが、3Dプリンターで成型した、まるで放熱板のように見えるサイドシルであり、その下にあるバッテリーの存在を仄めかしている。つまり、このクルマのエクステリアデザインは、まさに実際に運転可能に見えるだけでなく、運転してみたいと思わせるものだということだ。

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