東京モーターショー 海外メーカー相次ぐ不参加なぜ? 大きな課題 変わる役割
公開 : 2019.07.01 19:54 更新 : 2019.07.02 14:02
外資系インポーター元広報担当者が激白 海外メーカーは冷遇
取材を進めていくうちに、内部事情に詳しい外資系インポーター元広報担当者A氏が意外な事実を教えてくれた。
「実際に事務局の仕事の進め方や決定事項に関して、海外メーカーが冷遇されていると感じることが多かった」これはどういうことか?
「主催団体が日本自動車メーカーの集まりである自工会という組織となるため、運営ルールやコマ割など様々な決定プロセスやその内容、さらに案内やパンフの表示などすべてに渡って、基本視点は『まず国内8社の乗用車メーカーありき』で進められます」
「輸入ブランドはそのオマケ的な位置づけですね。国内メーカーには何ら悪気はないでしょうし、無意識だとは思いますが会議でも非常に空気が悪く、インポーターなど単なるその辺の輸入車業者あつかいです」
「出展料に加え、施工や運営費を総合すると小さなブースでも数億円の費用が掛かります」
「主催者からは冷遇され、本国からは、『東京モーターショーは10年前からローカルショーという位置づけです。出展するのは日本法人の判断に任せるがサポートもしない』と言われています。そんな『逆境』で出展するのはインポーターの負担が大きすぎる」
広告代理店が主導で進行し、費用は莫大。いっぽうで効果も薄い。ひとことでいえば費用対効果が低いということになる。
なお、多くのドイツ車メーカーが出展を取りやめる中、ドイツ車ではメルセデス・ベンツだけが今回も出展する。
しかし、その理由は「メルセデス・ベンツは、東京モーターショーの共催者であるJAIA(日本自動車輸入組合)の理事長会社だから」という大人の事情によるところが大きいと聞く。
JAIAは2011年(第42回)より共催者として東京モーターショーに参画している。さすがに共催団体の理事長会社が出展しないわけにはいかないだろう。