長期テスト BMW M135i(最終回) 改造プロジェクト終了 M2と比較
公開 : 2019.07.04 11:10
落ち着きのない足回りとLSDがないのが欠点
欠点と言っても、そこまで多いわけではない。
まずは乗り心地とハンドリングのバランスについて。M135iに乗っても、BMWと聞いて期待するほどの素晴らしさは得られない。排水溝のふたなどを踏むとかなりの衝撃を伝えてくるし、うねった道ではボディコントロールがルーズに感じられる。そこそこのスピードで強い衝撃が加わった際には、すぐにリアが浮いてくる感触に思わず毒づいてしまうだろう。
サウンドや少々間抜けな1シリーズのスタイリングについても不満を覚えるかもしれないが、ダイナミクスについて他に大きな問題があるとすれば、それはLSDが標準で装着されていないことだろう(ディーラーオプションには存在しているが、ほとんど装着事例はない)。これにはいくつかの理由が考えられる。
ひとつは、上から2番目のグレードに当たるM パフォーマンスと、全車ロッキングディファレンシャルを装着している最上級グレードのMモデルを差別化するため。
他には、実際のところオープンデフの方が安全であるため。つまり、1輪だけならまだしも、2輪がスピンするとスライドにつながってしまうからだ。
特にモデル間のヒエラルキーや安全性への企業責任を考えなくて良ければ、オープンデフに対するロッキングディファレンシャルのメリットは、デメリットを大きく上回る。トラクションが向上し、限界域でのハンドリングが予想しやすく、必要な時にはパワーオーバーステアを引き起こせる。LSDは是非とも装着したいところだ。