ロードテスト アウディeトロン ★★★★★★★★★☆

公開 : 2019.07.07 09:50  更新 : 2021.02.09 23:25

内装 ★★★★★★★★★☆

外装と同じく、内装のデザインにも大きな冒険はせず、新型A6やQ8などのアーキテクチャーとそれほど違わない。ただ、それは悪いことではない。そうした既存モデルは、質感でもエルゴノミクスでも高く評価されているからだ。eトロンも、その多くを受け継いでいる。

テスト車には、昨年テストしたA6アバントと異なり、ブラシ仕上げの魅力的な金属の装飾は用いられていない。しかし、ピアノブラックのパネルなどがそれを補完している。シート表皮などに使われるクリーム色は、競合モデルのモノクロなそれより明るく開放的な雰囲気をもたらす。プレーンでソフトなフィニッシュは、アウディの大型モデルの中ではもっとも広い範囲に使われているように思える。Iペースなどと見比べると、eトロンのコクピットはやや特別さに欠けるが、プレミアムなアピールが足りないと非難されることはないはずだ。

アウディの新世代モデルと同様に、インフォテイメントシステムであるMMIナビゲーションプラスのふたつのディスプレイは、ダッシュボード中央へスマートに組み込まれ、画面はドライバーに向けて傾けられている。それらの上の段には、横長の送風口ふたつがそびえ立つ。手前には必ずしも納得のいくものではない、木地を活かしたオープンポア仕上げのウッドパネルがあるが、それはおそらく、eトロンのグリーンな性質に合わせたものだろう。いっぽうでセンターコンソールには、スマートな見栄えの新たなシフトセレクターレバーが据えつけられ、その操作は親指か人差し指でひと押しするだけだ。うれしいことに、ドライブやリバースに入れるのはシンプルで、触感でわかる。

ホイールベースが2.9mもあるので、後席の乗員が貧乏くじを引くことはない。スペースは十分で、レッグルームは実測780mm、ヘッドルームは960mmあった。いずれも、わずかとはいえIペースを上回る。荷室は660ℓで、こちらはジャガーより目に見えて大きい。

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