試乗 アウディRS3 WLTP対応も走り変わらず 5気筒エンジンが魅力
公開 : 2019.07.02 10:10
あらゆる路面状況に対応
オプションのスポーツ・エグゾーストはさらにドラマチックさを追加してくれるが、その強烈さは若干薄まったように感じられる。これはEU全体での規制強化に対応するためだとアウディは説明している。しかし、ライバルの多くにありがちな人工的サウンドよりはるかに官能的だといえる。
アクセル操作に対するレスポンスは依然として非常に鋭い。どのような回転域であってもシームレスに反応してくれる。ごくわずかにラグの兆候が見られるものの、48.9kg-mものトルクがすぐさま湧き上がり、DCTを介して路面を蹴り出す。まるで自分が5ドアハッチバックに乗っていることを忘れさせるかのようだ。唯一残念な点を挙げるとすれば、回転上昇に伴うパワーの盛り上がりに欠けることだろう。
そしてもうひとつ驚くことに、おとなしく走れば非常にスムーズなのだ。コンフォートなモードを選択すれば、洗練された低回転域でのマナーと良く考えられたギア比がわかるだろう。TT RSよりも落ち着いた乗り味だが、S3やゴルフRよりは硬い。
運動性能について言えば、RS3は今までの高性能なアウディ車と同様に潤沢なグリップと安全性を持っている。しかし、昨年モデルと比べるとアンダーステア傾向が弱くなっているほか、エンジンは軽く4WDシステムは賢くなっている。もちろんBMW M2コンペティションはさらに刺激的だが、RS3の全天候性にはかなわないだろう。