初試乗 ホンダEプロトタイプ 電動化の新しい波 都市部に絞ったパッケージング

公開 : 2019.07.04 10:10  更新 : 2019.07.04 12:14

ハイテクを身近にさせるノスタルジア

それを踏まえてクルマを改めて見てみよう。走行はホンダ社内の低速試験コースでの短時間に限られたものの、Eプロトタイプの内面までを知る初めての機会となる。スタイリッシュで前衛的なプロダクトといえるのか、機能過多の高価格車なのか、現時点での仕上がりを確かめられるはず。

まずはエクステリアデザインから。正直、凄く良いと思う。コンパクトなボディサイズに、丸みを帯びたスタイリング。初代シビックを彷彿とさせる、感情がこもったようにすら見える丸いヘッドライト。レトロチックに感じる読者もいると思うが、人見としては、ノスタルジア、郷愁を誘うようなデザインと表現して欲しいようだ。「まったく新しいEVとして、見慣れたアピアランスを持たせる必要があると考えました。エキゾチックで、斬新なデザインよりも受け入れてもらいやすくなります」

そしてインテリアも極めてスタイリッシュ。従来とは異なる質感の、実用性の高そうなファブリックや、大きなタッチスクリーンと木材が配された、レトロ・フューチャーと呼びたくなるデザインのダッシュボード。このシンプルなデザインも、人見の見解としては、新しいテクノロジーをより身近に感じさせるための要素なのだという。「スマートフォンと同じです。備えた技術をストレートに表する、シンプルなアピアランスを持たせることが重要です。もしデザインが複雑になると、受け入れるのが難しくなると思います」

フロント周りはトラディショナルといえるボンネットを備えたデザインを採用。比較的直立したフロントガラスがAビラーを細くし、前方視界を向上させている。ドア上部にはサイドミラーの代わりにカメラが据えられ、ダッシュボード両端にレイアウトされたディスプレイに鮮明な映像を表示。ダッシュボード中央の大型モニターへは、セレクターでリバースを選択すると、クルマ全体を上から見下ろしたような360度の合成映像が表示される。またフロントガラス上部のリアミラーには、従来どおりの鏡に反射した図像だけでなく、カメラで撮影した映像も表示が可能で、任意に選択できる。

多くのEVなどと同様に、パワートレインのコントロールスイッチはセンターコンソール部分に配置される。走行モードとしてはドライブ、リバース、パーキングの3種類。トグルスイッチで走行モードをノーマルとスポーツを切り替えられ、アクセルペダルで減速までカバーできるシングルペダル操作での運転に対応する。

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