初試乗 ホンダEプロトタイプ 電動化の新しい波 都市部に絞ったパッケージング

公開 : 2019.07.04 10:10  更新 : 2019.07.04 12:14

都市部で活きる機敏なハンドリング

しかし、3万ポンド(435万円)という予定価格への疑問はどうしても残る。他社がより大きいボディに大容量バッテリーを搭載し、実用性を高めようとしているのが実情だ。プロジェクトリーダーの人見が説明する通り、Eのターゲット層はこのパッケージングと小さなバッテリーで満足してもらえるのだろうか。

「このホンダEを選んでくださるようなお客様にとって、価格は最優先となる事項ではないと考えています。もし価格を優先するのなら、EV自体を選ばないのではないでしょうか。スマートフォンを選ぶ時も同じです。値段を重視するのなら、アイフォーンは選ばないはずです。最先端の技術や未来性を選択する場合、価格は二の次になりますよね」 と話す人見。「そのような姿こそ、このクルマに期待している評価です。スタイリッシュさだったり、デザインや機能性、モビリティとライフスタイルとの融合による、未来的な可能性という理由で、選んでいただけると考えているのです」

わたしは、シティカーとして焦点を絞った素晴らしいデザインを肯定する意見と、ボディサイズや航続距離に納得できないとする意見と、評価が分かれると考えている。それはまさに、アイフォーンと同じ見られ方ではある。しかし、極めて限られた時間と場所での試乗ではあったが、このクルマが単にレトロな、いやノスタルジックなデザインをまとったEV以上の内容を備えているということは、間違いなさそうだ。

機敏なハンドリングを備えている、という片鱗は、都市部でのランナバウト(ロータリー交差点)でも間違いなく活きてくる素質だと思う。レスポンスに優れるドライビングファンな仕上がりは、すでにエクステリアデザイン以上に、われわれを笑顔にしてくれるものだといえそうだ。

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