初試乗 新型 BMW X4 Mコンペティション 510psのストレート6 宿るMらしさ
公開 : 2019.07.06 10:10
レーザーメスのように鋭い直6ターボ
新開発となる直列6気筒エンジンの特性は、ライバルモデルが搭載する全回転域に及ぶハンマーのような力強さ、というよりも、レーザーメスのような鋭さ。だからといって、一般道でもサーキットでも、間違いなく速さは見劣りしないだろう。またメルセデス-AMGのV8エンジンやアルファ・ロメオのV6エンジンほどの音響面でのカリスマ性はないが、それにも負けない素晴らしい性格を備えている。
アクセルペダル操作とのレスポンスは秀逸で、質感もスムーズ。パワーデリバリーもフレキシブルながらリニアで、同等のターボエンジンの中でも群を抜いている。トランスミッションの段数に関係なく、負荷状況も問わず、中回転域でも高回転域でも、もたつくことなく常に優れた扱いやすさを備えている。
エンジンに組み合わされる、トルクコンバーター式の8速ATも素晴らしい。以前採用されていた7速デュアルクラッチATよりも、あらゆる面で改善したといえるだろう。
乗り心地やハンドリングは、ステアリングにレイアウトされたボタンである程度は設定の変更ができる。だが、ハイパフォーマンスSUVのライバルと比較すると、アダプティブダンパーやエンジンの出力特性などの調整幅や変化の効果は限定的だ。