初試乗 新型 BMW X4 Mコンペティション 510psのストレート6 宿るMらしさ

公開 : 2019.07.06 10:10

余裕すら感じられる巧みなボディコントロール

わたしの好みでは、サスペンションとステアリングは穏やかに、パワートレインはスポーティに設定した状態で、ほとんどの時間を過ごすだろう。例えダンパーをコンフォートモードにしていてもストロークが短く、細かい振動が続くから、もう少し落ち着きが欲しくなるため。また、可変レシオのバリアブル・スポーツステアリングは標準のままでは重すぎ、穏やかに滑らかに走らせたいときなどは、反応が積極的過ぎることも理由だ。

もちろんX4 Mは、郊外の開けた道を素早く駆け抜けるのに相応しい、ボディのコンパクトさや機敏性を備えているとはいい難い。しかし道幅が広く滑らかな区間なら、フラットに引き締まったボディコントロール性に、緩やかな挙動が組み合わさり、思わずスピードも上がりがち。加えてグリップ力にも優れ、安心感も高い。

サーキットでグリップの限界領域までスピードを上げてX4 Mを走らせるようなドライバーは殆いないはず。だが実際に試してみると、巧みなボディコントロールには余裕すら感じられる。クルマの安定性が崩れてくるのは、極めて極端に横荷重がかかった時くらい。ダンパーの設定を硬い状態にしていても、クルマの姿勢を調整しようとすると、外側のリアタイヤが軽く弾むような挙動が感取されてしまった。

だが、グリップ限界以下で快適に走らせている限りは、現代のBMW Mモデルへ抱く期待を裏切らない。狙い通りの正確さに不足のないグリップ力、感覚の掴みやすいフィードバックは健在。加速も減速も強力で、ドライバーの意のままに走らせることができる。

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