ビートルズ「ホワイトアルバム」に通じる 英国の温もり ミニ・リマスタード 試乗

公開 : 2019.07.09 10:10  更新 : 2019.07.09 10:42

基本価格は9万ポンド(1224万円)から

以前わたしはミニ・リマスタードのプロトタイプを運転する機会があった。けれど、ミニ誕生60週年という記念すべき年にチェルシーで開催された、量産モデルのテストドライブを断る理由など、どこにもない。シンプルに、あくまでも我々が知っている、イシゴニスがデザインしたミニではある。しかし、細部に渡って手が加えられている。

リモート集中ドアロックやキーレススタート・ストップ、レトロなスミス風デザインが与えられたモダンな計器類。7インチのタッチモニターにはブルーツゥース・コネクトとアップル・カープレイ、アンドロイド・オートの機能まで備わっている。それらは上質で触り心地の良い素材で仕立てられたインテリアにレイアウトされている。レトロだがモダン。新鮮で素晴らしい。

「特に市場調査はしていません。わたしたちが正しいと思うことを、潜在的に市場があると考えて進めました」 と話すのは、デイビッド・ブラウン・オートモーティブでセールス&マーケティング・ディレクターを務めるミッシェル・ゲイ。彼女は2017年のプロトタイプ発表時の裏話もしてくれた。「わたしたちは異なる外観と質感をもたせた3台のプロトタイプを作りました。そしてその反響に圧倒されました。12時間のうちに2500件以上の販売に関する問い合わせがあったのです」

それほどの反響があったのなら、英国の伝説的なクルマに手を加える正当な理由にはなる。「想定していた数を遥かに超える台数を生産する必要がありました。発表から生産を始めるまでに、かなりの時間が空いた理由にもなります。1台目が工場のあるシルバーストーンを出発したのは昨年。初めに3台を製造しましたが、2019年内には50台をお客様に届ける予定です。2020年には100台の製造を目指しています」 と現状を説明するミッシェル。

思わず興味を持った読者もいるかもしれないが、魅力的なオプションリストでコンフィギュレーションを始める前に、基本価格が9万ポンド(1224万円)からとなっていることには気をつけた方が良い。今回の試乗車の場合、標準では備えている、ルーフラックや追加灯などアルプスをテーマにした装備が省かれていた。チェルシーで乗り回すには確かに必要ない装備だとは思うが、さらに他のオプションが加えられ、その価格は実に13万ポンド(1768万円)。購入するのは石油王クラスのひとなのだろうか。ミニ1台に13万ポンドだ。

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