クラシックカーの価格、どう決まる? カギはデータと徹底的なチェック
公開 : 2019.07.21 11:50 更新 : 2020.12.08 18:48
詳細なレポート コンディションを評価
彼らはこの日、セドリックのようなクラシックカー愛好家が持ち込む希少モデルの検査と査定を行っているのであり、ハガティーでは、英国中で開催されるクラブイベントやショーでこうしたサービスを行っている。
所有する車両を登録して、ハガティーがチャリティーに寄付するための15ポンドを支払ったオーナーには、アトキンソンと彼の専門家チームが、5ページにわたる詳細なレポートを作成する。
すべてのコンポーネントごとに評価と写真撮影が行われ、その後、それぞれの車両には、「プロジェクト」から「コンクール」レベルまで、5段階に分かれたコンディションの評価が与えられることになる。
そして、ようやく、オーナーが待ち望んだ瞬間がやって来る。ハガティー社による査定であり、車両コンディションと、この保険会社がもつクラシックモデルの価格に関する膨大なデータベースをもとに、評価額が決定されるのだ。
では、なぜハガティー社ではこうしたサービスを行っているのだろう? 簡単に言ってしまえば、彼らは合意した価格に基づいて、顧客の車両に対する保険金額を決定しているからであり、廃車が避けられない場合、ハガティー社では、よくある自動車保険契約のように保険料の一部だけではなく、保険契約時の合意額を支払っている。
だからこそ、彼らにとっては、最初にそれぞれの車両価値を正確に把握しておくことが重要になるのだ。
今回は25名のオーナーが参加しており、集まった車両のなかには、何台かのEタイプとアルファ・ロメオGTジュニア、ダイムラーE20、さらには996型ポルシェ911が含まれていた。
インスペクションエリアでは、ハガティー社で査定責任者を務めるチャーリー・パターソンが、1972年式ローバーP6 3.5 V8 Sのエンジンを入念に調べている。
「オーナーが細やかな神経の持ち主かどうかは、配線ルートやボルトの状態、ゴムホースの品質、さらにはクリップといったもので見分けることができます」と、彼は言う。「このクルマのすべてが、慎重なメンテナンスを受けてきたことを示しています。素晴らしいコンディションです」