クラシックカーの価格、どう決まる? カギはデータと徹底的なチェック

公開 : 2019.07.21 11:50  更新 : 2020.12.08 18:48

ハガティー・クラシック・インデックス

ローバーの後ろで順番を待っているのは、シトロエンDS21コンバーチブルのようだ。パターソンがボンネットを開けると、バルクヘッドに設置された見事な作りのVINプレートに驚かされた。

「プレートによれば、有名なコーチビルダー、アンリ・シャプロンが手掛けたDSのようです」と、彼は満足げに話す。「希少なモデルです」

だが、オーナーのサイモン・ハスキューによれば、この車両はさらに希少な存在だという。「このクルマは英国企業が生産した3台のレプリカの1台です。2006年、この車両を手に入れるために2万6000ポンドを支払っています。VINプレートは後から取り付けたものです」

別の場所ではアトキンソンが愛らしいトライアンフGT6を点検している。6年前、オーナーがボロボロの状態で手に入れたものをレストアした車両だ。このクルマを非常に気に入ったアトキンソンは、オーナーに是非譲ってほしいと頼んでいるが、相当な幸運が必要かも知れない。


ハガティー・クラシック・インデックスでは、基準となる50のモデルの価値を常に追跡しているが、昨年4月から12月にかけての、前年からの価格の上昇率は1.07%というものであり、2012年のインデックス創設以来、最低の伸びに留まっている。

「いま、市場は微妙な状況にあります」と、2000以上のモデルと、4万台以上の車両の価値を網羅したハガティーのプライスガイドで編集担当を務めるジョン・メイヘッドは言う。「ひとびとは慎重になり、去年は過熱気味だった価格も、落ち着き始めています」

「一方で、ランチア・デルタ・インテグラーレのような人気モデルは、相変わらず市場を上回るペースで価格上昇を続けており、ポルシェ924やメルセデスSL R107といった車両も、価格の上昇ペースを上げています。対照的に、フェラーリテスタロッサや308、アストン マーティンDB4、さらにはジャガーEタイプといった、かつての花形モデルの価格は急速に落ち着きを取り戻しています。実際、2018年末時点では、われわれが価格を調査している2000のモデルのうち、1/4が価格を下げています」

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