VWの第3章の幕開け 初試乗 フォルクスワーゲンID 3プロトタイプ 58kWh

公開 : 2019.07.08 10:10

どんな感じ?

EV用に開発したプラットフォーム「MEB」を採用

フォルクスワーゲンの第3章を切り開き、そしてブランド・ビジョンを指し示すであろう、プロトタイプ・モデルの試乗に招待されたAUTOCAR。繰り返しになるが、このクルマは間違いなく大きなインパクトを与える存在となるだろう。エクステリアには偽装はされているが、比較的軽度なもの。しかし、インテリアのカモフラージュはかなり厳重で、インスツルメントパネルすらしっかりと見ることができない。スピード違反を犯さないように、後付のスピードメーターが取り付けられているほど。

同乗し監視役を務めていたエンジニアによれば、量産モデルに対する完成度としては、まだ70〜80%程度の仕上がりだという。しかしスペック的にはある程度決まっており、今回試乗したID 3の場合は、3種類用意されるバッテリーで真ん中の容量となる58kWh。モーターは2段階用意され、このクルマは高出力の方だという。

最近発表される純EVとしては比較的一般化しつつあるが、ID 3に搭載される重量のかさむリチウムイオン・バッテリーは、シャシー下部に搭載される。その結果、リアモーターでありながら、前後の重量配分は理想的といえる50:50を叶えている。純EV用に新開発されたたモジュラープラットフォーム「MEB」を採用し、フロントタイヤ側にも小さなモーターを追加することで、4輪駆動にも対応する。

床下にバッテリーを搭載するというレイアウトは、EVの場合はインテリア空間の確保と低重心化によるハンドリング性能の両面で広く採用されている。しかし、ID 3の場合は必ずしも生かされているわけではないようだ。比較的全高の高いハッチバックだが、ヘッドルームの広さはあくまでも平均レベルだったりする。

一方で全長が4.2mの比較的コンパクトなボディながら、レッグルームの広さは特筆に値する。ホイールベースは2.8mにも及び、7代目ゴルフよりも130mmも長く確保されているおかげだろう。ボディのプロポーションはかなり背が高く、キャビンフォワード。空力的にはかなり追求されているようにうかがえる。

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