ありがとうコルベットC7 英国1車線道路の旅へ 楽しみ、スピードだけに非ず

公開 : 2019.07.20 09:50

次はミドシップ 少しの努力

村の中心にあるランナバウトでは、コルベットはそのボディを持て余し気味で、周囲から厳しい眼差しを向けられたが、ほとんどのシーンで、この明るい赤に塗られたスポーツカーには好意的な視線が注がれていた。

次期コルベットがミドシップ化する理由は理解できる。われわれの世代が、デイトナやコブラ、V8ヴァンテージに憧れて大きくなった一方で、若いエンスージァストたちは、スポーツカーとはミドエンジンであるべきだと考えているのだ。

それでも、ミドエンジンモデルとなっても、コルベットはコルベットのままだろうか? それは分からない。だが、99%自信を持って言えるのは、次期C8型では右ハンドル仕様もラインナップされるはずであり、特に魅力的な価格を掲げて登場するであろうことを考えれば、新型は多くの新たな顧客を得るだろう

それは、現行モデルにも言える。米国では大人気のモデルだが、ポンドとドルの為替変動にもかかわらず、グランスポーツ・コンバーチブルの英国での価格は9万510ポンド(1290万円)と、911を大幅に下回っており、エントリーグレードのスティングレーであれば、その価格差はさらに大きくなる(スティングレーのスタートプライスは7万ポンド/949万円をやや下回っている)。


さらに、メンテナンスコストや交換部品コストまで含めると、コルベットははるかに手ごろなモデルだということになる。

かつてディッチング・ビーコンに自転車で挑戦し、心臓が破裂するのではないかと思ったことがあるが、コルベットのステアリングを握ってであれば、はるかにリラックスして、ここまで辿り着くことができた。頂上からブライトンの街まで戻るのは、空いた道を通る快適なショートドライブだ。

1mmも2車線道路に乗ることなく、この旅を終えることができた。それも独特な溢れる魅力を備え、決して飛ばさなくともドライビングを楽しむことのできるクルマに乗ってだ。

長年言い続けているとおり、クルマを楽しむことは十分出来る。そのために必要なのは、少しの努力だけだ。

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