車高の高いM3 初試乗 新型 BMW X3 Mコンペティション 一般道で評価 Mの本気度
公開 : 2019.07.11 10:10
どんな感じ?
BMW史上最強の3ℓ直6エンジン
最も高速な4輪駆動モデルは、実用性や多機能性という点でも最強となりえる。しかしBMW X3 Mコンペティションの場合、実はそこまで極端でもなかったりするのだが、バランスが良い。
ポルシェ・マカン・ターボのように車高や乗り心地を自在に変えられるエアサスペンションが備わっているわけでもなく、ジャガーFペースSVRほど、圧倒的な加速力があるわけでもない。しかし、SUVセグメントのライバルモデルが数多く居並ぶ中で、BMW X3 Mコンペティションほど真のドライバーズカーと呼べそうなモデルは極めて少ない。
冒頭でも触れているが、このクルマに搭載されているパワートレインの構成には驚かされる。スーパーサルーン、現行のM5譲りの高水準での設定変更が可能な4輪駆動システムに、BMW M社が新たに開発したS58と呼ばれる直列6気筒エンジンが組み合わされているのだ。
このエンジンは、先代のM3に搭載されていたS55型ユニットのバージョンアップではなく、2015年にM社が主要ユニットとしてリリースしたばかりの、B58型ユニットの発展型。しかもB58型ユニットと共有する部品の割合はわずか10%に留まるという。
このS58ユニットは、BMWが生産してきた直列6気筒の中では最高出力、最大トルクともに一番強力なものとなった。S55よりも遥かに広い回転域に渡ってパワーアップが図られており、510psと61.1kg-mを2993ccの排気量から絞り出す。2020年に登場予定の新型M3とM4に搭載される公算は高く、ほかのコンパクトなMシリーズにもデチューン版が搭載されるだろう。