ディエップ産のダイヤモンド アルピーヌ・ルノー3台比較試乗 A110/A310/GTA

公開 : 2019.07.21 07:50  更新 : 2021.05.13 12:00

アルピーヌA110の誕生

レデレとのその従兄弟ロジェール・プリュールが設計した丸い鋼管をバックボーンにしたシャシーを特徴とするベルリネッタは、スタイリングと実用性の両方の点で、アルピーヌの方向性をはっきりと示していた。膝の高さ分盛り上がったファーストバックのFRP製ボディを持ち、ゴルディーニのチューンしたエンジンをずんぐりしたリアに積んだA108は、1963年に4気筒エンジン搭載の決定版とも言えるA110に置き換えられた。

A110も、その先代と同様、カブリオレや2+2ドアクーペ、そしてベルリネッタなど、さまざまなボディで提供されたものの、青色のレーシングマシンの精神を受け継ぐというレデレの夢から、量産モデルでも、スポーツ性が大きく重視されたことは意外ではない。

A110は、ボディの内側のメカニズムをドーフィンのものからR8のものに変更した。そえゆえ、足回りはフロントにダブルウィッシュボーン・サスペンション、リアにはスイングアーム、全輪にディスクブレーキが採用された。エンジンを180度回転させ、アルピーヌの盛り上がったリア・フードの中、R12ゴルディーニ・トランスミッションの後部に、R8用のノリの良い56psの956ccエンジンから、16TS譲りの1565ccエンジンを徹底してチューニングしたウェーバー製ツインキャブ版まで、驚くほど多彩な4気筒エンジンのラインアップを搭載した。

ベルリネッタは、乾燥重量が545kg(1200ポンド)ということもあって、うらやましくなるようなパワーウェイトレシオを誇った。それが、A110の優れた動力性能を保証した。だが、意外かもしれないが、このクルマの最大の強みは、驚くべきコーナリング性能とトラクションにあった。

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