ディエップ産のダイヤモンド アルピーヌ・ルノー3台比較試乗 A110/A310/GTA

公開 : 2019.07.21 07:50  更新 : 2021.05.13 12:00

オンザレールのA310

A110との最大の違いは、マイケル・ベリゴンドがスタイリングを手掛けたボディであり、その攻撃的かつ鋭角的なラインは、A110の60年代的かつ官能的な曲線美を一目で時代遅れに見せるものだった。このクルマの開発期間中、エアロダイナミクスの専門家であるマルセル・ヒューバートが細部をブラッシュアップした。ガラスカバーの後ろにシビエ製6連ヘッドライトをシトロエンSM風に埋め込んだ特徴的なノーズを採用したこともこれに含まれる。

A310は、ラリーのナイト・ステージを想定したような外見だったものの、レースにおいてA110ほどの成績を収めることはなかった。その最も顕著な戦績は、(1974年と76年に行われた)ツールドコルサでの3位入賞、そして(1973年にアルピーヌの株式の55%を取得した)ルノーのモデルとして1977年に獲得したフランスラリー選手権タイトルである。A310のこうした特性を考慮し、アルピーヌは、レース活動の焦点をル・マンに移した。

メディアは、それまでと同様、A310のハンドリングを絶賛し、Motor誌は、A310のコーナリングは「まるで線路の上を走るようだ」と書いた。新型車がGTとしての位置づけを狙っていた点を考慮すると、荷室がないことが弱点であり、また、ルノー製の「4気筒」エンジンの性能がスーパーカー風の粋なスタイリングに見合わない点もやや不評であった。

エンジンの問題は、A310の発売から5年後、常にライバルを自認してきた911と互角に渡り合えるモデルがついに登場したことで解消された。1976年のパリサロンで発表され、4連ヘッドライトを備えたよりオーソドックスなフロントエンドと、いかついリアスポイラーを特徴とする上位版は、均整のとれたテールにオールアロイV6エンジンを搭載した。

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