ディエップ産のダイヤモンド アルピーヌ・ルノー3台比較試乗 A110/A310/GTA
公開 : 2019.07.21 07:50 更新 : 2021.05.13 12:00
実用性重視のGTA
シングルチョーク1基とダブルチョーク1基という珍しい組み合わせのソレックス・キャブレターから燃料が供給される2664cc PRVエンジンは、152psのパワーと、フレキシブルな22.5kg-mのトルクを生み出し、0-60マイル加速が7.2秒、最高速度が時速140マイルに達した。メカの信頼性を高めるため、R12のトランスミッションの代わりにR30の堅牢な4速トランスミッションを採用したものの、1980年からは5速トランスミッションも選べるようになった。
6気筒のA310は1984年まで生産され、その後継車種が同年3月にジュネーブモーターショーで発表され、その2年後、アルピーヌとしては初めて英国で販売された。
A310のスタイリングも、A110と比べれば大きな前向きの飛躍であったものの、ここで取り上げる3台の内の第三世代であるGTAは、一世を風靡したファミリーハッチバックだった。取り外し可能なサブフレームに設置されたA310のV6を改良した2849ccエンジンは162psを発揮した。また、R25から受け継いだ燃料噴射式203psの2458ccターボエンジンが1984年秋にラインアップに加わった。
レーシングカーであるよりはロードカーであるGTAの設計要件にもとづいて、使い易さ、アクセシビリティ、スペース、快適性、安定性と操縦性の向上が要求された。誕生したクルマは、明らかにアルピーヌというよりも、ルノーだった。はるかに成熟度の高いコンセプトのもと、日常的に運転することを念頭に置いて設計がなされたことは明らかである。