初試乗 ベントレー・コンチネンタルGT V8 W12を上回るブランドの本質
公開 : 2019.07.13 10:10 更新 : 2019.07.13 10:52
伝統的なグランドツアラーとして最上級
エンジン自体も驚くほど力強く、発するサウンドもW12の兄よりも魅力的で個性豊かなもの。低速トルクも圧倒的ながら、それを上手に操るダブルクラッチ・トランスミッションのプログラミングの賢さにも感心する。アクセルを踏み込んでキックダウンさせる場合でも、本当に必要な段数を選択して減速してくれる。しっかりエンジンを機能させ、雷鳴のようにひと吠えを誘導。スルスルと速度が上がれば、直ちにシフトアップしてまた平静が訪れる。
太いトルクを活かし、2000rpm程度の低い回転数でも聞き惚れるサウンドを奏でるように調律してある。われわれの持つベントレーのイメージ通りといえるだろう。
それ以外の特徴的な部分は、W12とまったく同じ水準が保たれている。乗り心地は極めて上質で、シートは現在販売されているクルマの中でも最高の仕上がり。インテリアはハンドクラフトの温もりで満ち、クルマは大きな山のように威風堂々としている。
もし極めて伝統的なグランドツアラーを探しているのなら、筆頭に検討したいところ。距離に関係なく最上級の快適さを約束してくれ、道を選ばず、最高のダイナミズムでこたえてくれる。目的地までのドライブが、これほどまでに快適に楽しめるクルマは、ほかには見つからないかもしれない。