グリフィスが待ちきれない 英国TVRの個性的なワンオフ・スポーツカー 10選
公開 : 2019.07.20 07:50 更新 : 2021.02.17 17:44
TVRエボリューションS(1987年)
TVRの新しいエントリーモデルとして登場したSシリーズ。1986年に発表され、ウェッジシェイプのモデルが上級志向に移っていく中で、低価格帯を支えることになる。しかしTVRはその翌年、エボリューションSという名前の兄弟モデルを1987年のロンドン自動車ショーで発表する。
そのクルマにもV6エンジンが搭載予定ではあったが、ショーに登場したコンセプトカーは、エンジンが載っていないモックアップ。フォード製ユニットをベースにしたスウェイマー社の3.2ℓか、新しい3.3ℓユニットの搭載を検討していた。後に3.3ℓの方はホールデン製のものの改良版だとわかっている。
ボディのスタイリングもフロント周りを中心に大きく手が加えられ、ヘッドライトは大型化。その後のV8Sのエクステリアデザインとの関連性を思わせる。スプリント社の幅の広いアルミホイールにリミテッド・スリップデフを装備し、前後のサスペンションも改良を受けていた。ウォルナットの木材が用いられたダッシュボードが、インテリアの特徴だった。
マニアな小ネタ
2.0ℓのコスワース製ユニットを搭載したSも製造された。最高出力は驚きの355psで、5速マニュアルがトランスアクスル・レイアウトで採用されていた。