グリフィスが待ちきれない 英国TVRの個性的なワンオフ・スポーツカー 10選
公開 : 2019.07.20 07:50 更新 : 2021.02.17 17:44
TVRティナ(1966年)
トレバー・フロスト(フローラ)は、トライデントでデザインのコツを掴んだようで、その翌年には可愛らしいクーペ、ティナを手がけている。このクルマにはマッチョなV8エンジンもチューブラーフレームもなく、小さな2+2レイアウトがヒルマン・インプ・スポーツのフロアパンに設計されていた。コンバーチブルモデルは2シーターだ。エンジンは875ccの4気筒がリアに搭載されている。
製造はTVRの共同経営者でもあったマーティン・ラリーの働きかけでフィソーレ社が担当。ティナの名前の由来は、ラリーの友人でありTVRのレーサーでディラーの経営もしていたジェリー・マーシャルの娘から来ているという。1966年のトリノ自動車ショーでオープンボディがデビューし、その年のロンドンでクーペボディが発表されている。
全体的に市場の反応はポジティブではあったものの、TVRはグラスファイバー製のボディであっても、利益を上げるのに充分な台数を生産する計画が立てられず、販売を断念する。しかし幸運なことにプロトタイプは破壊されずに残った。
マニアな小ネタ
ジェリー・マーシャルは1989年にレストアする目的でクーペのプロトタイプを手に入れるが、時間がないまま放置。2005年に名前の由来ともなったティナへと渡った。復活する日は来るのだろうか。