グリフィスが待ちきれない 英国TVRの個性的なワンオフ・スポーツカー 10選
公開 : 2019.07.20 07:50 更新 : 2021.02.17 17:44
SM TVRザンテ(1971年)
TVRの幻と消えたクルマの中でも特に有名で、かつアールズ・コート自動車ショーの中でも最も悪名が高いのが、スーザン・ショーとヘレン・ジョーンズという女性ふたりを裸で立たせて展示した、このプロトタイプだろう。このプロトタイプは役目を終えると、工場の廃材置き場へ投げ捨てられてしまった。
マーティン・ラリー時代のTVRがウェッジシェイプ・デザインへとシフトする2台目でもあり、デザインを行ったのはトライアンフTR7も手がけたハリス・マン。シューティング・ブレークのボディは、ケンブリッジシャーのスペシャライズド・モールディング社(SM)が担当する予定だった。
高級車やグランドツアラー市場へもモデルレンジを広げる意図があり、当時既に年代物だったビクセン2500のシャシーにトライアンフ製2.5ℓエンジンを搭載予定だった。最も重要なアメリカ市場での反応が鈍く、TVRとしても新しいMシリーズへと移行する時期にあり、量産には至らなかった。
マニアな小ネタ
俳優のシド・ジェームズと女優のバーバラ・ウィンザーは、クラブの資金集めパーティの見世物として、SM TVRザンテを注文しようとしたらしい。