フォルクスワーゲン・ゴルフGTIパフォーマンス・パック
公開 : 2013.06.12 18:30 更新 : 2017.05.29 18:58
■どんなクルマ?
新しいフォルクスワーゲン・ゴルフGTIの英国での初試乗だ。既にわれわれはヨーロッパでゴルフGTIをドライブし、その楽しさを経験済みである。
その2.0ℓのターボ・エンジンは、パワーが適度に増加したのもそうだが、何よりもトルクがアップしたのが大きい。実際、ゴルフRは別としても、GTIは前モデルよりも5.1kg-mもトルクが増大しているのだ。あなたが£980(15万円)高のパフォーマンス・パックを選ぶかどうかに関係なく、このトルクの増加は得られる。ちなみに、パフォーマンス・パックは10bhpのパワー・アップと、電子制御メカニカル・リミテッド・スリップ・デフとアップデートされたブレーキが装着されることになる。だだし、パフォーマンス・パックを選択したとしても、その経済性は変わりない。マニュアル・ギアボックスでは16.7km/ℓ、DSGでも15.6km/ℓの燃費と、149g/km(マニュアルの場合は139g/km)のCO2排出量となる。
ゴルフGTIは、トップ・レンジのモデルであるため、その装備も充実している。デュアル・ゾーン・エアコン、18インチ・アロイ・ホイール、バイキセノン・ヘッドランプ、ティンティド・リア・ガラス、パーキング・センサー、5.8インチ・タッチ・スクリーン・メディア・システムが標準となり、オプションとはなるが、オートマティック・ディスタンス・コントロール・レーダー・モニタリング・システム、オートマティック・エマージェンシー・ブレーキを選べば、保険もぐっと安くなる。
価格は、£28,895(440万円)から。オプションをプラスすると£33,000(500万円)近くなる。この価格は、フォード・フォーカスSTよりもBMW M135iに近いものだ。
■どんな感じ?
ゴルフGTIは、信じられないほどの賞賛が与えられるモデルだ。安定性、ロード・ホールディング、乗り心地、レスポンス、そのどれをとっても一級品だ。そして、それらはゴルフGTIを全方位型のエクスプレス・モデルとして完成させるのに寄与している。
素晴らしいボディ・コントロールは、平坦な道だけでなく素晴らしいターン・インを見せ、高いレベルのグリップをもたらしてくれる。そしてバリアブル・レシオのステアリングは、高い信頼性がある。ギアシフトもクイックだ。
例えコーナリング中であっても、ブレーキはあなたが好きなところで踏めばいいだけだ。リア・エンドが思い切りブレることはない。というのも、スタビリティ・コントロールがフルに効いているからだ。むしろ、フロント・タイヤのグリップに感動することだろう。フロントは控えめにそのトルクをタイヤの外側に向けるが、メカニカル・ディファレンシャル・デフを持つライバルたちよりも遥かにスムーズにスロットル入力を受け付ける。GTIのトラクション・レベルを超えるということは、反社会的なスピードに達することを必要とするのだ。
シンプルにドライブするだけで充分に速い。それがゴルフGTIだ。
■「買い」か?
ゴルフGTIのパフォーマンス・バリューは高い。本当に俊敏で、安定感があり、流暢で、安全なクルマだ。300マイルの距離を10分の8の力でドライブしても、充分な満足が得られるクルマだ。圧倒的な大多数は、このゴルフGTIを支持することだろう。
勇気ある少数派は、そのあまりの優等生ぶりに不満を感じるかもしれない。もしあなたがそういった類の人間であるならば、次のゴルフRを待てばよいだけだ。それは、よりアジャスタブルで、騒がしいゴルフになること間違いない。
(ニック・カケット)
フォルクスワーゲン・ゴルフGTIパフォーマンス・パック
価格 | £28,895(440万円) |
最高速度 | 250km/h |
0-100km/h加速 | 6.4秒 |
燃費 | 15.6km/ℓ |
CO2排出量 | 149g/km |
乾燥重量 | 1370kg |
エンジン | 直列4気筒1984ccターボ |
最高出力 | 227bhp/4700-6200rpm |
最大トルク | 35.7kg-m/1500-4600rpm |
ギアボックス | 6速デュアル・クラッチ |