レンジローバー・スポーツ・スーパーチャージド
公開 : 2013.06.12 18:30 更新 : 2017.05.29 19:20
■どんなクルマ?
新しいレンジローバー・スポーツは、ランドローバーのラインナップで最もリスキーでシンプルなモデルだ。そして、先代の8年にわたる歴史の最後の年であっても著しい数を販売したモデルでもある。
昨年、オール・アルミの洗練されたボディをまとい登場したレンジローバーのフラッグシップは、420kgのダイエットを果たしたばかりではなく、旧いツイン・レール・シャシーから最新のモノコックを採用した結果、本当のスポーツSUVになった。
ラインナップは、£60,000(905万円)の288bhpのSD V6ターボ・ディーゼルからスタートし、503bhpのこの5.0ℓスーパーチャージドまで。また、169g/kmのCO2排出量を誇るディーゼル・ハイブリッドも用意される。ミッションは8速のZF製オートマティックで、望むのであればパドル・シフトによるギアチェンジも可能である。
£81,000(1,230万円)のスーパーチャージドのパフォーマンスは、0-100km/h加速が5.3秒、最高速度はリミッターが効く250km/hで、ポルシェ・カイエンと真っ向勝負の性能を持つ。
■どんな感じ?
大きく高くボクシーで鈍いSUVを、スポーティSUVに変身させるために、より大きいパワーと洗練されたエンジニアリングを与え、イヴォークのウェッジ・シェイプと、ランドローバーの堂々としたフォルムを結合したスタイルを加えている。
インテリアも垢抜けたデザインが施され、ドライビング・ポジションはSUVとしてはやや低めの(絶対的には高めだが)ポジションが与えられている。また、高いセンター・コンソールがドライバーとパッセンジャーのスペースをしっかりと分けている。
スペース効率の良さもレンジローバー・スポーツの特徴だ。オプションとしてプラス2のサード・シートさえ取り付けることができるのだ。
予想通り、あるいは予想以上のアビリティを一般道では発揮してくれる。もちろん、レンジローバーのフラッグシップよりも力強く速い。クリックなステアリングと印象的なダンパー・コントロールは、本当に驚くべきものがある。先代のスポーツでは、こなせなかったハードなコーナリングでも、新しいスポーツなら冷静に抜けることができる。ボディ・ロールはそれなりにあるが、マルチ・アジャスタブル・エア・サスペンションのおかげもあって非常によくコントロールされている感がある。
乗り心地にも少しばかり驚かされた。路面の凹凸の有無にかかわらず、非常に静かで、高速道路では恐ろしいほどの安定感を見せてくれるのだ。
ギアボックスは、常に激しい追い越し加速をするために2速落とす準備がされているが、長距離走行では2000rpmから2500rpmを保った快適なクルージングが味わえる。
■「買い」か?
あなたがSUVに極端な実用性を求めるのであれば、また高いドライビング・ポジションを求めるのであれば、レンジローバー・スポーツは望みと異なるモデルかもしれない。しかし、その印象的なパフォーマンスを求めるのであれば、これこそ求めていたモデルだろう。
確かに燃費はわれわれのテストでも7.7km/ℓを越えることはなかったが、これを許容できるかどうかにも掛かっているかもしれない。
(スティーブ・クロプリー)
レンジローバー・スポーツ・スーパーチャージド
価格 | £81,550(1,230万円) |
最高速度 | 250km/h |
0-100km/h加速 | 5.3秒 |
燃費 | 7.8km/ℓ |
CO2排出量 | 289g/km |
乾燥重量 | 2310kg |
エンジン | V型8気筒4999ccスーパーチャージャー |
最高出力 | 503bhp/6000rpm |
最大トルク | 62.2kg-m/2500-5500rpm |
ギアボックス | 8速オートマティック |