ECUのリマッピングで360psと50.9kg-mを獲得

M52が目指すところは、フォルクスワーゲン・グループのクルマの性能を拡張すること。アメリカにはフォルクスワーゲンをより速くカスタムする、大規模な市場が存在している。コラボレーションは、英国のマウンチューン社としても大西洋を越えて活動を広げる、格好の機会となる。もちろんフィフティーン52にとっても、英国ポンドを稼ぐキッカケにもなる。ウィン・ウィンが成り立つわけだ。

M52では、マウンチューン社が走行パフォーマンスの面でのチューニング・ノウハウを供出し、フィフティーン52がスタイリング面でのアップデートを担当している。そのコラボレーションによる第1弾モデルが、今回ご紹介するゴルフR M52となる。

オリジナルのゴルフRに対して加えられたスタイリング面での変化は、写真の通り。モノブロックのホイールが目を引く。だがそれ以上にわれわれの興味を引きつけるのが、クルマに施されたステージ1パフォーマンス・パッケージの中身となる。

エンジンを制御するECUのプログラムはリマッピングされ、最高出力は360psに、最大トルクは50.9kg-mにまで高められている。標準のRとの差は小さくない。デュアルクラッチATが装備されたモデルの場合は、ATのコントロールユニットのプログラムにも手を加え、変速スピードを速めている。

ECUの焼き直しに合わせて、X3と呼ばれる高効率のインダクションシステムも選んでおきたいオプション。今回のでも車両には装備されていた。その他にもサスペンション・スプリングと、プロトタイプながらスポーツダンパーキット、ブレーキなどがモディファイされている。タイヤはミシュラン・パイロットスポーツ・カップ2で、アルミホイールは19インチ。操作感が心地良いシフトパドルも備わる。

クルマをモディファイする楽しさを、全身で表したようなクルマだ。実際の走りの楽しさも高まっているだろうか。

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