チューニングブランドがコラボ 初試乗 フォルクスワーゲン・ゴルフR M52 360ps
公開 : 2019.07.15 10:10 更新 : 2019.07.17 21:06
どんな感じ?
3000rpmからのトルク感にワクワクする
加速時のマナーは標準のゴルフRと異なるものの、ゴルフR M52はとても速い。とても。チューニングされたエンジンながら、そのフレキシブルさには感心する。低回転域からリニアにクルマを加速させていくが、M52は一世代昔のターボエンジンのような印象も与えてくれる。
例えば2速で20km/h程度で走行していたとして、アクセルを踏み込んで加速を得るには、若干のターボラグが発生する。踏み始めた瞬間は、比較的落ち着いた雰囲気だ。そこからブースト圧が高まり3000rpmを超えた辺りから急激にトルクが湧出し、身体がグッと押し出される感覚にワクワクしないわけがない。
郊外の開けた道で、カーブの先に伸びるストレートの加速を楽しみたいなら、エンジンの回転数を高めに保って、ブーストを予圧しておく必要があるということでもある。しかし、個性として歓迎できるエンジンの特徴だと思う。フォルクスワーゲンが提供している純正オプションではあるが、アクラポビッチ社製のチタン製エグゾーストシステムが発するサウンドトラックも素晴らしい。
もちろん、手放しで褒められるわけでもない。ゴルフRのサスペンションにも手が入っているから、日常的な使いやすさという点で心配になるひともいるだろう。カップシャシーを装備したルノー・メガーヌRSやホンダ・シビック・タイプRと比較したとき、ゴルフRが本来持つ洗練され民主化された仕上がりは際立つものだ。町中をゆっくり走らせる場面での、落ち着きのない挙動は、心地良いものではない。