奥深きスロットカーの世界 大人の楽しみ 精巧な造形 決め手はコントローラー
公開 : 2019.07.21 18:50
番外編1:スロットカーレースの魅力
スムースでレスポンスに優れ、驚くほどの速さを備えたスロットカーは非常に魅力的な存在だ。
オーバーステアリングをコントロールする術はないかも知れないが、単にコントローラーのグリップを握りしめる前に、コーナーを無事脱出して、さらなる加速を見せられるよう、減速してコーナーへアプローチする方法についてもよく考えてみるべきだろう。
ミニは確かに高重心ではあるが、優れたグリップと驚くほどの安定性を見せる一方、違うクラスに所属するイタリア製のNSRであれば、より低く、長く、そしてさらなる速さを味わうことができる。
それでも、ハードなブレーキングや、ラフな加速をすれば、こうしたモデルは簡単にリアを振り出す傾向がある。
ドリフトという意味では最高だが、操作を誤れば、簡単にコースアウトしてしまうことを意味しているのであり、サウスマンチェスター・スロットレーシングクラブのラス・モンクマンは、「コースからの落下というのも、コースアウトのひとつです」と話す。
「一度コースから落下してしまえば、ポジションを取り戻すことは出来ません。遅かれ早かれ、他のマシンもコースアウトするだろうと望むしかないのです」
レースの合間、メンバーたちはそれぞれのマシンの車高とメカニカルコンポーネントのチェックに余念がない。マーク・シャーロックもそんなひとりだ。
「ほかのマシンのサイドにぶつかってしまいました。すぐにミニクラブマンのフロントを修復しなければなりません」と、彼は笑いながらも、やや必死の面持ちで話してくれた。
「レースでのライバルは21歳のルーキーでカメラマンをしているマックスです。素晴らしいスタートを切ると、彼はそのままエキサイトして、マーシャルの手を煩わせることになるでしょう。わたしは冷静に集中を保つことで、最終的にはトップでチェッカーを受けるつもりです」
つまり、スケーレックストリックに夢中なった日々も無駄ではなかったということだ。