試乗 フォルクスワーゲン・パサートGTEエステート EVでの走行距離30%延長
公開 : 2019.07.17 10:10
どんな感じ?
力強いモーターでEVモードでの運転が楽しい
そんなわけで、パサートGTEの概要は既にわれわれが知っている内容と大きな違いはない。もちろん、パサートとして最大の特徴でもある、実用性や快適性、ファミリーカーとしての賢明さなども、前年までと変わりはない。
駆動用バッテリーの容量が9.9kWhから13kWhへと増やされた結果、EVとしての航続距離は従来と同等な条件で50kmから70kmへと伸びている。実際の環境なら、フル充電状態でも60kmには届かないと考えておいた方が良いとしても、エンジンを一切始動せずに80km/h位までの加速は楽にこなせる。EV状態で走らせてみると、116psのモーターの扱いは簡単でレスポンスも良く、運転が楽しい。
GTEというグレードがリリースされた当初、クルマを比較的活発に走らせると、エンジンが頻繁に掛かりノイズも小さくなかった。しかしフェイスリフト後は、GTEというグレード名と、実際のクルマとのマッチングは良好になったように思う。
「E」という文字が使われているだけあってか、エクステリアもインテリアも、取り立ててスポーティなデザインが与えられているわけではない。乗り心地は柔らかく快適。他のパサートと同様に、穏やかで安楽なドライブを味わえる洗練性も向上した。
ドライビングモードを「GTE」にした時に得られる、ハイブリッドシステム全体での最高出力は218psで、最大トルク40.7kg-mと充分なもの。かなり力強く、クルマに期待する以上のドライビング体験を叶えている。また、開けた道での運転を楽しむには充分以上の、グリップ力やボディコントロール、機敏性を備えてもいる。